下水処理 プラントの規模
ボランティア活動の一環で、今回はRATMALANA下水処理場を見学した。
施設の規模は2,300世帯と37工場排水を処理している。総処理水量は日量17,000m3である。
設備はスイスの資金援助の下、建設されており、スイスの企業PURACが建設、PLC、SCADA等の電気制御関係もスイスの企業ABBが使われていた。
施設に入ると、丁度スイスからエンジニアが来ていたので話しを聞くことが出来た。
4つのポンプステーションから送られて来る下水は、スクリンにて夾雑物の除去後、曝気槽に入り、沈殿槽を経て放流される。
曝気槽の入口部はDenitrificationと言って、脱窒槽になっている。
RATMALANA下水処理場のフロー
窒素除去をしてインド洋へ放流
やや専門知識になるが、下水に含まれるアンモニアなどに含まれる窒素成分は普通の曝気処理では除去されず、そのまま放流すると海の汚染により大きな被害に繋がる。 (昔日本で経験した赤潮の大量発生による漁業への被害が起こる)
したがって、脱窒素=脱窒を行うプロセスがある。
ついでに説明すると、アンモニア態窒素(NH4-N)は、曝気槽で空気を吹き込むことで微生物を活性化し、有機物を分解除去するが、更に分解を進めると有機物がなくなった後、窒素が生物反応により硝酸、亜硝酸になる。(硝化処理と言う)
この消化された処理水を前段の脱窒槽へ戻し、硝酸、亜硝酸の酸素をバクテリアに酸素代わりに消費させ、窒素ガスに還元しようとするプロセスである。(結局、N02、NO3が微生物の呼吸作用により酸素が取られ、無害のN2ガスになる)
手前が脱窒槽、その向こうが硝化槽となる
運転状況を確認してみると
分析室にて月報を見せてもらい、運転状況を確認したところ、BOD5は原水138→放流水4mg/l、COD280→34.4mg/l、トータル窒素43.9→14.4mg/l、アンモニア態窒素17.2→<2mg/l、硝酸態窒素処理水5.31mg/l、トータルリン7.45→0.53mg/lの結果で、良好な処理水を得ている。
ただ、DOが異常に高い値で運転されているのが気になったので、どうしてかと聞いたが、明確な答えは返ってこなかった。
処理場の説明をして下さった電気技術者のダヤラルさん(中央)と、活動先の私のコーディネーターのロシャンさん(左)と私(右)