【ホームベーカリー】パナソニック、タイガーを徹底比較!

人気のホームベーカリーから、2機種(パナソニックのSD-MT1)とタイガーやきたて KBY-A100を選び、その仕様から、実際にパンを焼いてみて比較をした。

比較する内容は、パン焼きのメニュー、レシピ、使い易さ、味わいなどの各項目を比較評価。実際に焼いてみると、メーカーのレシピに対する考え方が味わいに出ており、興味深い。

これから購入を検討している方は、是非参考にして下さい。

ホームベーカリーの人気機種

ホームベーカリーの人気機種は、パナソニックのSD-MTシリーズ(現行機種はSD-MT3)、タイガーならやきたてKBDX100、やきたてKBY-A100などがあげられる(価格COM調べ)

その他、象印やツインバード、MK、シロカなども廉価モデルを武器に製品を販売しているが、ここでは、人気機種からパナソニック製SD-MT1(SD-MT3の旧モデル)とタイガー製やきたて KBY-A100を選び、実機にてパンを焼き、それぞれの出来栄えを比較した。

比較した2機種は実際に購入したもので、パナソニック製SD-MT1は、2018年6月にヨドバシで購入、一方、タイガー製やきたて KBY-A100は、2019年12月に同じくヨドバシで購入した。

パナソニックとタイガーで同じパンを同時に焼いて比較して見た。

両製品のメーカーサイトを下記リンクに示す。

比較のポイント

焼けるパンの種類(メニュー)

パナソニック、タイガーのそれぞれの機種で焼けるパンのメニューを比較してみると、下記の表となる。

No.メニューパナソニックタイガー
1パン・ド・ミ
2もちもちパン・ド・ミ
3ふんわりパン・ド・ミ
4食パン
5熟成食パン
6リッチ食パン
7ソフト食パン
8サンドイッチ用食パン
9早焼き食パン
10クイックスイート食パン
1160分パン
12ごはんパン
13ごはんフランスパン
14フランスパン
15ライ麦パン
16全粒粉パン
17ブリオッシュ
18マーブルパン
19アレンジパン
20白パン風食パン
21ハーフ食パン
22米粉パン(小麦入り)
23米粉パン(小麦なし)
24角食パン
25早焼き角食パン
26リッチ角食パン
27パン生地
28ピザ生地
29米粉パン生地(小麦ゼロ)
308分スピード生地
31天然酵母食パン
32天然酵母パン生地
33生種おこし
34クイックブレッド
35ソイスコーン
36グルテンフリーケーキ
37ケーキ
38ベジケーキ
39生チョコ
40ミルクジャム
41ジャム
42コンポート
43あん
44もち
45うどん・パスタ
46わらびもち
47甘酒
48単独工程(生地こね)
49単独工程(発酵1)
50単独工程(発酵2)
51単独工程(焼き)
52パンケースクリーニング

大きな差は、パナソニックの方が焼けるパンの種類が多い。特に天然酵母を使ったパン作りが出来るのは他にない機能。

一方、タイガーは角食パンなど違った味わいのパン作りや、わらびもち、甘酒なども作ることが出来るのが特長。

特に、家庭用ホームベーカリーではこれまでなかった角食パンが焼けるのはうれしい。一般のホームベーカリーでパンを焼くと、いわゆる山型パンが出来上がる。角食パンは、ふたをして焼き上げるので、きめの細かなしっとりした仕上がりとなる。

この差は、ふたをしない場合、発酵による炭酸ガスの気泡が膨れ、ふわっとした食感となるのに対し、ふたによって膨張を押え込むことによる仕上がりの違いである。

山型パンと角食パン

左の山型パンに対し、右の角食パンはきめの細かいパンとなる。

画像は、メーカーホームページより引用

その他、タイガーには、単独工程を選ぶことが出来るので、工程毎に自分で時間を決めながら、オリジナルのパンを焼くことが出来る。この点は、パナソニックにない機能である。

取扱説明書の分り易さ

マニュアル(取扱説明書)については、タイガーがしっかりした厚めの上質紙を使い、パナソニックがペラペラの普通紙に比べ、しっかりとした製本となっているのは評価できる。

マニュアルを参照する時、どうしても濡れた手でページをめくるため、紙が濡れてしまう。パナソニックでは、段々と紙がよれよれになってくるが、タイガーはこの点、痛みが少ない。

一方、読み易さの点から言えば、パナソニックの方に分がある。タイガーでパンを焼く時、何度もマニュアルを見ることがあったが、ページをあちこちめくる必要があった。

また、タイガーでは、知りたいところが、明確に書かれていないところがあり、少々不安になったこともある。

例えば、予約でパンを焼く時、パナソニックではスタートボタンを押すと、直ぐに羽が動き動作音がするので動作しているのが分るが、タイガーでは予約時には全く動作しないので、何か操作を間違えたのかと思い、マニュアルでその部分を探しても記載がない。

予約をしないで焼く場合は、マニュアルにちゃんと動作について記載されているので問題ないが、予約時の動作については、全く記載されておらず、また表示も動作音もないので、正しく設定されているのか分らなかった。

このことは、一度パンを焼いて成功すれば、後は問題ないが、最初に使う時は「不安」が募り、現実にこれが原因で2度も失敗した。(マニュアルに記載があれば、初期故障であることが分った)

手入れのし易さ

タイガーはイースト自動投入ケース、自動具材ミックスケースの容器が取外し出来るようになっており、使った後手入れが出来るようになっている。

一方、パナソニックでは、イースト容器はふたに固定されており、手入れが出来ない構造になっている。(レーズン・ナッツ容器は取外し可能)

また、タイガーはパンケースクリーニングをメニューから選べ、定期的に自動で洗浄することが出来るのがメリットである。

持ち運びの取っ手があると便利

パナソニックには、取っ手が付いており、持ち運びには問題ないが、タイガーには取っ手がないため、持ち運びする時は本体全体を抱えるしかなく、移動には不便である。

実際にパンを焼いて比較

この比較のために、焼いたパンのメニューは「ごはんパン」であった。

パナソニックは1年半使っていたので、慣れのせいもあり用意に時間はかからなかったが、タイガーはマニュアルを見ながらのため時間はかかった。

大きな違いは、パナソニックは、強力粉(210g)、ごはん(100~200g)、バター(10g)、砂糖(17g)、スキムミルク(6g)、塩(5g)をパンケースに入れ、最後に水を入れるのに対し、タイガーは先ずごはん(150g)を器に入れ、水(140g)を入れてから20分ふやかした後、パンケースに入れ、砂糖(12g)、塩(4g)、バター(10g)、スキムミルク(6g)、強力粉(220g)を順に入れる点。

ここで注目したのは、砂糖と塩の量。パナソニックに対し、タイガーの方が砂糖、塩共に少なくなっている。砂糖は17gが12gに、塩は5gが4gに、約80%になっている。この点は味にも影響を与えるのではないかと、楽しみにしている。

特に塩分を気にしている場合、両者の違いは、6枚切りのパン一枚に対して、パナソニックが0.83gに対し、タイガーは0.67gの塩分摂取となり、減塩対策となる。しかしながら、パナソニックでは塩の目的を、「味付け、歯ごたえのあるパン、雑菌の繁殖を防ぐ」とあり、「入れなくてもよい」とも書いており、量を減らすことは可能である。

タイガーホームベーカリーでパンの材料を仕込む

タイガーでは予めごはんを水にほぐし、ふやかす必要がある。

(ただし、4時間以上の予約をする場合は不要)

朝の7:30に予約して焼いてみると

パナソニックとタイガーのホームベーカリーでパンを同時に焼く

両者のパンケースに材料をセットし、予約を入れた。

朝起きてビックリ!

タイガーではうまく焼けない

朝、パンの焼き上がりを見ると、全然膨らんでいない。

タイガーとパナソニックのホームベーカリーで焼いたパン

パナソニックのパンは正常に焼けたのに、タイガーのパンはこんな感じで饅頭のようになっていた。

タイガーではパンは焼けなかった

タイガーではイースト自動投入が故障していたので発酵しない

もちろん、ドライイーストは入れていたが、どうやら自動投入がされていないようだ。

もう一度試してみたが・・・

購入したタイガーのホームベーカリーは初期不良でパンが焼けない

やはり同じ結果だった。

取説に説明があればこんな失敗は2度もしなかったのに。

そもそもドライイーストが投入できていないことが問題。

タイガーのお客様窓口に電話するも・・・

取説に記載の「お客様相談窓口」に電話をしようとしたが、ナビダイヤル(0570-011101)が平日のAM9:00-PM5:00の対応のみで、日曜日だったため諦めていた。

ところが、ヨドバシの納品書の裏に「返品。交換のご案内」があり、「初期不良による返品・交換」が載っていた。電話対応も年中無休の9:30~22:00で可能だった。

早速電話をして見ると、「交換品を送るので、現品をその便で返却して下さい」とのこと。明くる日、19:00頃、配達に来て、交換が可能となった。

交換品が来たので、再度タイガーでパンを焼いてみる

予約を使うと夜中気になるので、今回は予約なしで焼いてみた。

タイガーホームベーカリーでパン材料を仕込む

今回は、基本の食パンを焼いてみた。

水180mL、砂糖16g、塩4g、バター10g、スキムミルク6g、強力粉250gをパンケースに入れる。

タイガーホームベーカリーにドライイーストを自動投入ケースに入れる

次にドライイーストを自動投入ケースに入れてセットす

タイガーホームベーカリーで3度目にパンが上手く焼けた

予約で失敗していたので、直ぐにスタートボタンを押した。

3時間半後、ピーピーピーと音がして完了。

恐る恐るふたを開けると、今回はちゃんと出来ていた。

タイガーホームベーカリーで焼いたパンは外は薄皮でパリパリ、中はふわふわ

出来立てはやわらかくて、ふわふわ。

パナソニックより美味しい。

1日経っても美味しいタイガーホームベーカリーで焼いたパン

パナソニックに比べ、タイガーのパンは周囲の皮が薄くてパリパリしている。

次の日、今度は全粒粉食パンを予約で焼いた。

具材にクルミとレーズンを入れて見た。

タイガーホームベーカリーで焼いた全粒粉食パン

明くる日、ちゃんと焼けていた。

味は、パナソニックに少し劣る感じ。

味を比較してみると

これまで、食パンと全粒粉食パンを焼いてみた。同時比較はできなかったものの食べてみた感覚で比較すると下記の表の結果となった。

食パンを比較

食パンの材料を下表に比較した。

No.材料パナソニックタイガー
1強力粉250g250g
2バター10g10g
3砂糖17g16g
4スキムミルク6g6g
55g4g
6180mL180mL
7ドライイースト2.8g3g
    
1086kcal1086kcal

材料面から両者の差は、ほとんどない。現実に味を比較しするとどちらも美味しい。ただし、タイガーの方は、パンの耳が薄く焼かれるため外皮がパリッとした感覚があり、耳が苦手な人も楽しめるのではないかと思う。

全粒粉食パンを比較

全粒粉食パンの材料を下表に比較した。

No.材料パナソニックタイガー
1全粒粉125g125g
2強力粉125g125g
3バター10g10g
4砂糖17g8g
5スキムミルク6g
65g4g
7200mL190mL
8ドライイースト2.8g3g
    
1038kcal972kcal

全粒粉食パンの場合、砂糖の量が倍半分違うのと、スキムミルクがパナソニックでは使われているのに、タイガーでは使用していないことが大きな違いである。

この結果は味にも影響しており、タイガーは少し味わいに淡白なところがある反面、パナソニックでは美味しく出来ている。

このことは、全粒粉を使うユーザーは健康志向であることから、タイガーでは健康に重点を置き、砂糖の量を減らし、スキムミルクも添加しないことでレシピを作っていると考えられる。

実際に、カロリーにしてもパナソニックが1038kcalに対し、タイガーは972kcalと低カロリーとなっていることから分る。

一方、パナソニックでは、健康志向だけでなく、それに美味しさをプラスして考えられたレシピと思われ、ともにそれぞれの主張が表れたレシピである。

もちろんタイガーでもパナソニックと同じ砂糖の量と、スキムミルクの添加を行えば、ほぼ同じ味になると考えられるので、機種の差ではないことは。

結論とまとめ

ホームベーカリーを購入時、パナソニック製とタイガー製が良く比較検討されることがある。作るパンの種類、使用目的によって選択する必要があるのはもちろんだが、基本的な食パンを作るのであれば、どちらでの機種でも大差はない。

機種による差よりは、メニュ-毎に設定されているレシピの違いが味に差を付けている。それは、主に砂糖と塩の分量であり、タイガーは砂糖、塩を少なめにしている。

この点でメニューによっては、レシピ通りに作ると、タイガーの方が味の面で少し物足りない感じがするが、パナソニックと同量の砂糖、塩を入れるとほぼ同じ結果が予想される。

逆にパナソニックでもタイガーと同様に砂糖、塩の量を少なめにすることで、糖分、塩分を控えた食パン作りが可能である。

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