工場見学の目的・主旨
職業訓練校でのボランティア活動で、卒業生の就職している工場を訪問し、実産業の現状、および卒業生に期待する習得技術や要望などのニーズを調査するため、工場見学を希望していたが、タイヤ工場への見学が実現した。
工場見学では、特に自動化やシステム化の観点での現状と将来のニーズを捉えることで、訓練校(ATI)の生徒のメカトロニクス技術に対して適切な知識・技能を身に付けてもらうことを目的としている。
見学した工場は、スイスに本社を置くグローバル企業、Trelleborg社のタイヤ工場だった。
タイヤ工場を見学
ここコロンボに近いMalolaの工場では建設機械、フォークリフトなどの産業用のソリッドタイヤ(空気を入れるチューブがなくすべてが何層かのゴムで加工される)、およびニューマチックタイヤ(空気式タイヤ)を生産しており、約900人の従業員が働いている。
もともと北米にあった工場をここスリランカに写し世界の80%の生産を行っているが、その理由のひとつに生ゴムの産地であることを強調している。
広い工場を全て見終わるまで3時間は要したが、さすがに世界規模の企業だけに、スリランカであることを忘れるぐらいのオーガナイズされた工場だった。
工場のラインでは、旧式の機械から最新の機械まで、それぞれのライン毎に並んでいる。
旧式ではスイスなどヨーロッパから来たものや、上海、台湾などから来た中国製、また新しいものでは米国製メーカーの機械なども見られた。
古い機械となると、メーカーの保守期間も終了しており部品の供給などに支障をきたしている。
しかしながら、その機械を使い続ける限り、工場内のスタッフが修理対応せざるを得ない状況で、世界各国の違った規格の部品、PLCなどを修理交換することになるので、大変な労力以上にその知識と応用技術が必要とされる。
この点を今後のメカトロニクス教育に取入れて行く必要があると思った。
Trelleborgスリランカ工場にて
右から3人目が私。
青いユニフォームの人がTrelleborg社の方で、他2名はATI(職業訓練校)のメカトロニクス部門長とインストラクター。