3Dプリンターが安くなって来た昨今、買おうかなぁ!と思案していたタイミングで、ブラックフライデーがやって来た。Amazonや他のサイトで機種や価格などを調べやっと買いました。
機種はCreality Ender-3 V2で、メーカーCrealityの直販サイトが、Amazonや他のサイトと比べ、一番安かったのでそこで購入しました。
Creality Ender-3 V2を購入
3Dプリンターを購入するには、FDM方式(Fused Deposition Modeling/熱溶解積層方式)か、光造形方式の選択肢がある。しかしながら、最初に購入するには取扱いの容易なFDM方式が無難だし、安全なのでこれに決定。
FDM方式で価格帯が2~5万円で探していたら、筐体に収まったモデルと筐体がなくオープンになったモデルがあった。筐体に収まった機種は騒音の問題とABSなど臭気が問題となるフィラメントを使用するのに効果があるらしいが、筐体がなくても、問題あれば囲いを発泡スチロールなどで作れば良いと考え、低価格で評判の良いCreality Ender-3に決めた。
このCreality Ender-3は販売台数80万台を超える3Dプリンターでは世界中で愛用されている超ベストセラーの機種で、その情報量も多いし、グレードアップキットなども販売されているのが大きな魅力。
Creality Ender-3には、初期モデルから最新モデルのv2まで数多くのモデルが販売されており、特にPro、Xなど旧モデルは価格を安く設定しているのでお得感がある。
しかし、ブラックフライデーで割引セールがあるのでここは最新モデルv2に決めた。
Ender-3 V2の価格を比較
Creality Ender-3 は価格が20,000円台で販売されており、初めて購入する3Dプリンターとしては「オススメ」との評判らしい。
私が選んだのは最新の機種、Ender-3 V2で2020年春に出た新製品。
これが、Amazonでは、54,799円(送料無料)、海外サイトのBanggoodでは、27,361円(送料211円)、eBayでは、約26,988円(送料6,149円)、サイトでは米ドル表記で259USD(送料59.01USD)だった。
ところが、メーカーCrealityの直販サイトでは、ブラックフライデーのセール中で231USD(送料無料)で販売されていたので、ここに決めた。
支払いは、Paypalで行い、日本円換算で25,138円だった。ブラックフライデーが終わった今は、262USDに戻っている。
納期が2週間もかかった
11月27日のブラックフライデーで購入・支払い済みであったが、注文が殺到し出荷に1週間以上遅れるとのサイトのメッセージがあった。
そして、発注9日後メールが来た。内容は送り先の住所を英語で書いて欲しいとのことだった。
いつも中国製品を購入する時には日本語だったので、同様に日本語の住所を入れていたが、メーカー直販サイトでの日本語表示はなかったので、無理だったようだ。
メールで英語表記の住所を返送して2日後出荷完了のメールが来た。更に3日はかかるのだろうと思い待っていると、4日後の12月11日にやっと到着した。(結局納期は2週間だった)
この時期、納期がかかるのは仕方がないと納得。
注文して15日後に中国から届いた3Dプリンターの荷姿。
Creality Ender-3 V2を組立てる
Ender-3 シリーズはDIYキットとなっており組立が必要な商品である。組立にはマニュアルの他、ユーザー配信動画なども多く非常に参考になる。
組立てに手こずる
開梱すると、中にDIYで組み立てる3Dプリンターの半完成部品がコンパクトに収まっていた。
過不足がないか前パーツを並べてみてマニュアルと照合してみた。
予備の部品も入っているようだ。
組立ての手順が重要
Y軸がテーブルになっておりこの部分は既に組立てられているので、Z軸とX軸を組み立てて行く必要がある。
Z軸をY軸にネジで取付ける時、少し緩めにしておいた方が後の作業が楽になる。
また、Z軸に取付けるミットスイッチは、最終的な調整で固定するので取付け時は仮止め程度にしておいた方が良い。
X軸も大変な作業となる。X軸は2本のZ軸に支えられているが駆動はステッピングモーターの付いている片方のZ軸で行う。このため左右のZ軸の平行度や、直角度などが重要となる。
また、左右のZ軸へはX軸に取付けられたそれぞれ3つのローラーにて接触し位置を決めているので、このローラーの位置調整も大変重要である。
3つのローラーの内、ひとつのローラーのみに偏芯ナットが付いており、これを回すことでローラーの位置が変わり、Z軸へ接触するガタツキなどのフィット感が変わる。近づき過ぎるとX軸の動きが固くなり、逆に離れ過ぎるとガタツキが生じる。
この3つのローラーによる軸の移動はX、Y、Zの各軸に採用されているので、動きが固かったり、逆にガタついているなら、調整するのが良いと思う。
あれこれと調整しながら、結局組立に3時間ほどかかった。
電源を入れてみる
組立てが終わり、電源電圧を110Vに切換え、電源スイッチを入れてみた。特に問題はない。
そして、まずベッドレベルの調整から始めてみた。
ベッドレベル調整に手こずる
マニュアルでは簡単に説明しているが、そもそもベッドの下にある4本のレベル調整用ネジでは収まらなかった。調整代を超えていた。
よく見ると、X軸がベッドに対して平行になっていないし、同時にZ軸に対しても直角になっていない。
このため、X軸ユニットをZ軸から一旦抜き出し、Z軸と直角に近づくようネジを締め直し、Z軸に挿入し、調整してみた。
しかしながら、何度調整してもZ軸に挿入すると直角度がずれてしまう。
実はここまで来て、X軸の平行度の調整には、X軸駆動部とX軸形材の角度よりも、左右のZ軸に接する3つのローラーの調整が重要であることが分った。
この3つのローラーは、1個と2個のローラーがZ軸に接しているが、1個のローラーの方は、偏芯ナットを使用しており、それを回すとローラーとZ軸との距離が調整出来るようになっている。つまり、近くするときつくなり、離すと緩くなる。
この左右の調整加減により、X軸の角度が微妙に変化してしまうことで、筐体上部の形材との平行度が変わっていることに気が付いた。
平行度を見ながらこの調整を何度か試みてやっと調整が終わった。
X軸とベッドとの平行度が出ていない
ところが、ほぼ平行の状態になっても、ベッドレベルの調整代が足りない。
要するに、ベッド自体が筐体と平行になっていない。ベッド調整用ネジを一杯締付けた状態(ベッド下のバネが圧縮されベッドが最も低くなった状態)で、ノズルとベッドの隙間を見ると、左と右とで5㎜の差がある。調整代をはるかに超えている。
これを解決するため関連動画を片っ端から見て行ったところ、Ender 3 v2 – Detailed Assembly Guide 🔧 Step by Step for Beginners – by Tostatroniの動画が大きなヒントになった。
X軸とベッドとの平行度を調整するには、一旦ベッドの取付けネジ4本を外し、ベッドをスライドさせている4本のローラーの偏芯ナットを調整する必要があった。
この調整には、ほぼ一日かかった。
テスト印刷で微調整
以上の調整により、A4ペーパーを使ってのノズルとベッドとの間隙調整が終わったので、テスト印刷を行うことにした。
スライサーソフトを準備する
印刷の前に、スライサーソフトをインストールする必要がある。
このスライサーソフトはCreality Ender-3 V2に付属していたが、一般的に使われているUltimaker Curaを使うことにした。
Curaはスライサーソフトとしては最も一般的で、情報量も多く、初めての人にも最適なソフトである。(もちろん無料)
テスト用データのダウンロード
一方、テスト用データはthingiverse.comで無料で入手できる。テスト用のデータはEnder 3 Bed Levelを使用した。
ベッドレベルテスト用データを印刷する
ファイルをダウンロードして解凍すると、CHEP_bed_level_print.stlがfilesのフォルダにあるので、それをスライサーソフトに読込み、Gコードファイルとしいて、SDカードのルートに入れる。
テスト印刷はベッドの四隅を端から中心に向かって四角形を書いていくもので、ベッドとの隙間を更に厳密に調整が出来る。
隙間が大きければ、フィラメントの定着が悪くなり、動画の右下のように剥がれてしまう。逆に小さすぎれば、広がり過ぎてうまく定着しない。
このプリント動作は繰返し行われるので、調整ノブを少し回して目視で確認しながら進めて行くことが出来る。
造形物を印刷してみる
一応の調整は終わったので、いよいよ実際の造形物を印刷してみる。
ここでは最初に印刷する造形物としてよく使われているベンチーをダウンロードして印刷した。
フィラメントは同梱されていたPLAを使った。
Curaの標準の設定から変更なしで特に問題なく造形できた。
次回は、別途PLAプラスを購入したので、これを使って造形してみる。
まとめ
3Dプリンターをやっと手に入れ、ワクワクしながらの第一歩であったが、造形物を印刷出来るようになるまで、かなりの手間がかかったような気がする。
完成品ならスイッチオンで使用出来たであろうと思うが、このcreality Ender-3 はDIYなので、そうは行かない。
しかしながら、構造的なことが分り後々の調整に必要な知識が得られ、役に立ったと思う。
3Dプリンターを買って何を印刷するのか、これからが本番である。3D-CADや3Dモデリングソフトなどを使って色んな物を作って行きたい。