オール電化、太陽光発電など電気代など光熱費を削減するアイデアが住宅設備のキーワードとなっている。
我が家では2006年にLPGガスをやめ、オール電化を導入して、使い勝手や費用面での効果を見て来た。14年経った今でも設備費の回収は出来ていないが、それとは別のメリットなどで一応の成果があったことを認めたい。
オール電化の導入経緯
導入経緯
2006年当時は電気代は安かったが、その反面ガス代が(特にLPGガス)非常に高かったので、トータルの光熱費で考えた場合、オール電化にするメリットは十分あったため、全国の電力会社はオール電化を盛んに売り込んでいた。
そのころ、オール電化を検討した理由としては、
- LPGガス代が高い
- ガス漏れによる火災などの不安
- 冬場の石油ストーブ使用での灯油購入の煩わしさ
- 石油ストーブの排気ガスによる健康面への悪影響(エアコンがベター)
などであった。
トータル光熱費が安くなることもあったが、LPGガスが危険であることや、石油ストーブの排ガス暖房による健康面の影響が主な動機であった。
そして、電力会社のシミュレーションなども参考にして見ると、設備費は約10年で元が取れる計算となったので導入を決めた。
設備会社数社に見積を依頼して、結局95万円でスマイルアサヒと言う工事業者に発注した。
オール電化導入後の光熱費と従来の光熱費との差額を見る
2006年7月にオール電化にして、その後の光熱費をチェックして来た。
ガスを使っていた時の光熱費は2005年8月~2006年7月を基準に、その後、1年毎の電気代(光熱費)を次のグラフに示している。
オール電化導入後の光熱費の推移とその差額
オール電化導入前(2006年7月まで)は、LPGガス代、および冬季の石油ストーブの灯油代を含んだトータル光熱費で、導入後(2006年8月以降)は、LPGガス器具は撤廃、石油ストーブも無くして全てエアコン暖房としている。
オール電化の設備費の回収状況
上のグラフで分かるように、2020年5月現在、オール電化による光熱費の導入前後の差額(累計)が約86万円となっている。当初の10年からほど遠い14年近くになってもまだ回収は出来ていない。おろらく後2年程度かかるだろうと推定される。(計16年)
回収に年数が掛かるのは電気代の値上げによる
このように長くなった理由として、2011年の原発事故が大きい。原発事故後の2015年頃から電力会社の採算を取るため相次ぐ電気代値上げがあったためだ。
例えば、2013年4月には17%の電気料金値上げがあった。これは一般家庭の電気料金の値上げ率は約11%なのに対し、オール電化家庭では、17%と大きな差となっているのに驚いた。
もちろんガス代などにも値上げがあり、2005年を基準としての比較は妥当ではないかもしれないが、当初の計算ベースなのでこれを基準としている。
このように導入時点でのシミュレーションは全く当てにならないと言うことが分る。社会情勢が変わることで色んな計算の前提条件が変わって来るのは仕方ない。
太陽光発電を導入していたらもっと大変だっただろうと思う。
オール電化にしてメリットを感じたこと
何と言っても、ガスがないことの安心感。消し忘れがあっても電気なら勝手にオフになってくれるし、タイマーなどの機能で安全に使えるのは電気のメリットである。
実際に、ガスを使っていたころは、警報を付けていてよかったが、消し忘れや、外出時の元栓閉め忘れ、ガス漏れによる警報発生や、自動通報によるセキュリティセンターからの電話など、年に数度はあったと思う。
しかしながら、現在では電力会社はガスも扱うことになり、オール電化を勧めることはないようで、新築以外は設備投資が大きいためあまりメリットは無くなって来た。