これまた娘の要望で、散乱した子供のおもちゃが収納できる長机を作ってほしいとのことで、DIYで作ることにした。
サイズは幅1700㎜x奥行600x高さ1200(机高さ450)で机の下におもちゃなどを収納、机の上でお絵描きしたり、ブロックで遊んだりできるようにする。
また、背板に使用した厚さ9㎜の合板には、10㎜の穴を224個あけて、有孔ボード(ペグボード、多孔ボード)として活用出来るようにした。
材料は、昨年月キッチンカウンターを作った時の残材と1バイ材、2バイ材などを使い、コストを最小限に抑えるようにした。
3D-CADで図面を描く
前回のキッチンカウンターでは、手描きで図面を作成して作ったが、今回は3D-CADを用いた。
Fusion 360を使ってモデリング
3D-CADは初めてなので、まず無料で使えるソフトを探してみた。その中でAutodeskのFusion 360が評判もよく、1年間無料で使えるので早速ユーザー登録をして使ってみた。
3D-CADの利点は具体的な形を3次元で画面に落として行くことが出来るので、イメージがつかめやすいことだと思う。(モデリング)
その後、通常の図面に落とすことで製作図や板取図が出来るのは、非常に効率が良い。
最初に作ったのは次のモデルであった。
この机をたたき台に娘と打合せて、完成時には次のようになった。
材料を1バイ材と2バイ材に変え、背板を自作有孔ボードとすることで、コストダウンと工夫を凝らした遊べる机とした。
以下に製作工程を順に説明して行く。
製作工程
基本構想
基本構想として、増え続けるおもちゃを収納整理したいのと、子供が遊べる机が欲しいの2点だった。
買ったりもらったりした数々のおもちゃは、カラーボックスやボックスに収納されているが、雑然としていている。
これらを、長机の下に収納してスッキリとさせたい。
設計・計画図
今回は3D-CADを使って実際のイメージを寸法などを測りながらモデリングして行く。
ある程度出来た時点で、ホームセンターなどで材料を調べ、コストなどを検討しながら製作図に展開したのが下の図面である。
これで材料の調達を行う。
材料調達
前回のDIYでホームセンターは調査済みだったので、今回は前回と同じ西村ジョイで購入することにした。ここで材料を購入し、カットしてもらい、無料サービスのトラックを借りて娘の家まで運んだ。
購入した材料は、上の設計時点の部品一覧とは少し違い最終的に下記のようになった。
合計6,665円。
No | 名称 | サイズ | 数量 | 材料 | 材料寸法 | 数量 | 価格 | |
1 | 支柱長 | 89Wx38Tx1117L | 2 | 2x4材 | 89Wx38Tx2440L | 1 | 580 | SPF ツーバイ材 |
2 | 支柱短 | 60Wx27Dx475L | 2 | 集成材 | 60Wx27Tx1117L | 1 | – | 残材利用(\1,150) |
3 | 棚板 | 140Wx19Tx1650L | 2 | 1×6 | 140Wx19Tx1820L | 1 | 1,340 | SPF ワンバイ材 |
4 | 机板 | 600Wx18Tx1650L | 1 | 集成材 | 610Wx20Tx2140L | 1 | 3,390 | 赤松集成Cグレード |
5 | 背板 | 910Wx9Tx1690L | 1 | ベニヤ板 | 910Wx9Tx1820L | 1,355 | ラワンベニヤT2 | |
6 | 補強側板 | 610Wx5.5Tx370L | 2 | ベニヤ板 | – | 残材利用 |
柱材(棚受支柱)
支柱は前後に2本づつで、前方には前回キッチンカウンターで購入していた赤松集成材の棚受(ウレタン塗装)を利用、後方の棚受けには、2バイ4を使用した。
机板、棚板材
机板としては幅600mm以上の材料を探していたところ、赤松集成材が安かったのでこれに決めた。また、後方の支柱に取付ける棚として、1バイ6材を2枚購入。
材料加工後、持帰り
家でカットするには丸鋸が要るので、ホームセンターで予め用意していた長さにカットしてもらい、無料サービスの1.5トントラックを借りて運んだ。
加工 ・組立
加工としては、柱材への溝加工、ラワンベニヤの穴あけなどである。
準備
作業を行う前に、作業台が必要なので、簡単なものを12㎜厚の針葉樹合板T1を使って制作した。
溝加工
机板、棚板は支柱に溝を掘り、これで受けるようにするので、まず2バイ4にトリマーで溝を掘る。このため、下記の治具を製作した。
溝堀りが完成した2バイ4材。
次に、テーブル、棚板を支柱にネジで固定するためネジ穴を明けるが、垂直に穴明けが可能なよう簡単な治具を製作した。
仮組立て
支柱に棚受けの溝が出来たのでテーブルと棚板を取付ける。
有孔ボード製作
背板にはベニヤ板を貼るが、これを有孔ボードにしたいと考えた。市販の有孔ボードの穴径は小さく、子供が遊ぶには向いていないので、自作することにした。
9㎜厚のラワンベニヤ板を買って、これに10㎜径の穴を縦7行×横32列=224個明けることにした。
まず、治具の製作から始めるが、この治具を上手く作るかどうかで作業性が格段に違ってくる。
今回製作した治具は、定規となるベニヤ板に横方向に50㎜ピッチで7か所の罫書き線を入れたものと、その上をスライドする木片に垂直に金具を埋め込んだもの。この穴を通して10mmドリルで穴を明けると、ほぼ垂直となる。
この垂直の穴は、12㎜なので、これを垂直に明ける必要がある。このため、つぎの治具で4㎜の下穴を明け、その穴をガイドに12㎜のドリルで明けた。
治具には垂直にドリルの刃を入れるため下記の様な金具を使うが、ホームセンターでスペーサーとして売っているものを利用した。内径が4~10mmまでのものがあり価格も数本入って100円程度なので各サイズを購入した。
224個の穴明けには約4時間を要した。
この穴明けには、仕上がりをきれいにするため両面からのドリル作業を行った。つまり、表からはドリルの先端が裏面に少し出る程度まで明け、裏返しをして10mmの穴を貫通させるようにした。
最後にサンダーを使ってバリ取りを行った。
組立て
有孔ボードを支柱の裏面にタッピングネジで取付けて完了。
完成
完成すると、早速、物置に。
20mm厚の板を使っているので、子供が乗ってもしっかりしている。
まとめ
今回作った遊び机は、構造が簡単であったため比較的短時間で完成した。予算的にも7,000円弱で出来、このサイズでは満足いくものであった。
また、今回初めて3D-CADを使ったことで、これまでにない設計過程を経験した。作りたいものを3Dイメージでモデリングし、具体的な形になった後、直ちに図面に起こすことが出来るのは非常に有効なツールである。材料を購入する時に、歩留まりなどを検討する必要があるが、板取図に展開することで、非常に無駄なく材料を使用することが出来たのは、このソフトの素晴らしいところだろう。
そして、なにより孫が気に入って遊んでくれるのが大きな収穫であった。
今後、この有孔ボードを使った遊び道具なども機会があれば紹介したいと思います。