気になる兵庫県の新型コロナウイルス感染状況を調べてみた

世界中で感染が広がる新型コロナウイルスについて、感染傾向を評価するため指数関数近似を行い、指数部の係数を求め、倍化日数などを調べました。(倍化日数は感染者が倍になる日数)

更に、地元兵庫県はもとより、全国都道府県、更に爆発的な感染拡大が発生したニューヨーク市の状況とも比較して、その違いをグラフで示しています。

今後、いつ緊急事態宣言が解除されるか、いつ感染が収束するのか、など話題となっていますが、その指標のひとつとして、更新して行きたいと思います。

兵庫県における新型コロナウイルス感染状況について

兵庫県の新型コロナウイルス感染者数の推移

下図は、兵庫県各都市・地域における新型コロナウイルス感染者(PCR検査の陽性者)数の推移を表示しています。

図の、凡例の各都市・地域名をクリックすることでそのプロットが表示/非表示されます。

「兵庫県」を選ぶと県全体のプロットが表示されます。(縦軸のスケールが変わります)

感染者数累計データから指数関数近似曲線を求める

下図は兵庫県における新型コロナウイルス感染者数(累計)の推移を示しています。

上図と同様に、図の凡例にある各都市・地域名をクリックすると、その都市・地区のデータの表示/非表示が切替わります。(スケールは自動で変わります)

現在感染者が報告されている都市・地域としては、感染者数の多い順に、神戸市、伊丹、西宮市、宝塚、尼崎、姫路市、加古川、芦屋、明石市、加東、洲本、丹波、中播磨となっています。

近似曲線から指数近似係数(係数a)を求める

グラフの最上部に描かれたプロットは、兵庫県全体のプロットですが、そのプロットに沿って右側に表示された点線は指数関数近似曲線を表わしています。

感染者数の増加傾向は指数的となっていますので、下記の指数関数式にて近似を行いました。

 y = exp(a*x+b)
  ここで x:3月1日からの日数
      y:累計感染者数
      a:指数部の係数
      b:指数部の定数

指数関数の近似には、その日を含めて過去1週間のデータ(7日分)を使い、指数関数の係数・定数を最小二乗法にて求めました。

この指数部の係数(以降、”指数近似係数”、または”係数a“と呼ぶことにします)は、感染拡大の勢いを表わしており、この値が大きいほど感染スピードが速いと言うことになります。

例えば、兵庫県の4月23日時点の係数を求めるには、4月17~23日の7日間のデータから指数関数の近似式を下記のように得ています。

 y = exp(0.02989x+4.804)

係数a = 0.02989は、約23.2日で感染者累計が2倍となる数値です。(log(2)÷0.02989≒23.2)

倍化日数とは

例えば、係数aが0.1の時は、6.93日で陽性者数が2倍になる値です。この日数が倍化日数で、計算方法は、下記のように2の自然対数を取って、係数aで割って求めます。例えば、係数a=0.1の時は次の計算になります。

 Log(2)÷0.1=6.93 (ただし、Logは自然対数)

この関数で近似曲線を描いたのが図の点線となっています。

この係数aは毎日の感染者数によって変化して行くので、その値から算出した倍化日数は、感染拡大の動向をみる指標となります。

兵庫県内の感染拡大傾向を指数近似係数からみる

指数部係数aは、感染拡大の勢いを表わす指標と捉え、この値の推移をグラフ化してみました。

下図は、兵庫県各管轄域における係数aの推移を示しています。

図上部の凡例にある各都市・地域名をクリックすると、その都市・地区のデータの表示/非表示が切替わります。

兵庫県全体を見ると、3月1日に最初の感染が確認されて以降、3月28日頃一度収まったように見えましたが、その後も、小さな波のように上下を繰返しながら、現在は0.005近辺で推移し、非常に低く抑えられています。

今後、自粛要請が段階的に解除されたり、緊急事態宣言が解除されることで次の大きな波が来ないように自制しながら、見守って行きたいと思います。

兵庫県下の現在の感染状況をまとめる

下図は県内で確認された累積感染者数を都市・地域別に降順にバーグラフにて示しています。

現時点での累積感染者の総数は、神戸市が一番多く、伊丹、西宮、宝塚、尼崎、加古川、姫路、芦屋、明石と続いています。

下表は、各管轄域毎に累計感染者数と人口百万人当たりに換算した累計感染者数、および指数近似係数、倍化日数を一覧表に示しています。

表の列見出しをクリックすると、その系列のデータが昇順/降順で並び変わり、上記のグラフも連動します。

単位人口当たりでは伊丹市、芦屋市、宝塚市が多い

例えば、「人口百万人当たり」をクリックしてみると、人口百万人当たりの累計感染者数の表示が昇順/降順に並べ変わるともに、上記のグラフの並びも変わります。(赤色のバーグラフ)

人口百万人当たりの累計感染者数では、伊丹、芦屋、宝塚が神戸市よりも多くなっているのが分かります。

兵庫県各都市・地域の感染拡大傾向を悪い順に並べると

兵庫県の各都市・地域における指数近似係数を降順(倍化日数を昇順)に並べることで、感染拡大の傾向が分かり、これを降順に並べると下図になります。(倍化日数は逆数なので小さい順に並びます)

兵庫県における新型コロナウイルス感染を管轄する保健所または、健康福祉事務所

ここで表示している都市・地域名は、兵庫県内の健康福祉事務所(保健所)が管轄する下記所管市町村となっています。

都市・地域名管轄名(都市・地域)管轄地域人口(千人)
神戸神戸市保健所神戸市全域1,520
姫路姫路市保健所姫路市全域530
尼崎尼崎市保健所尼崎市全域451
西宮西宮市保健所西宮市全域487
明石あかし保健所明石市全域299
芦屋芦屋健康福祉事務所芦屋市
94.2
宝塚宝塚健康福祉事務所宝塚市
三田市
335
伊丹伊丹健康福祉事務所伊丹市
川西市
川辺郡
271
加古川加古川健康福祉事務所加古川市
高砂市
稲美町
播磨町
414
加東加東健康福祉事務所
西脇市
三木市
小野市
加西市
加東市
多可町
265
中播磨中播磨健康福祉事務所神河町
市川町
福崎町
41.3
龍野

赤穂
龍野健康福祉事務所

赤穂健康福祉事務所
相生市
たつの市
赤穂市
宍粟市
太子町
上郡町
佐用町
248
豊岡

朝来
豊岡健康福祉事務所

朝来健康福祉事務所
豊岡市
養父市
朝来市
香美町
新温泉町
159
丹波丹波健康福祉事務所篠山市
丹波市
101
洲本洲本健康福祉事務所洲本市
淡路市
南あわじ市
127

兵庫県でのPCR検査の状況と入院患者数の推移

PCR検査件数に対する陽性者数の割合、陽性率をみる

日本ではPCR検査が簡単に受けられないことが問題になっていますが、兵庫県でどれくらいの検査が行われているのか下のグラフで示しています。

PCR検査の陽性率が高い状態では、いわゆる無症状の「隠れ陽性者」が多いとの解釈もあるため、陽性率の低下がポイントですが、現在かなり低い状態で推移しています。

入院患者数からベッドの空き状態をみる

下図に兵庫県の入院患者数をグラフにしています。新規感染者(累計)から退院者等の人数(累計)を差し引いた値が現時点での入院者数として計算しています。

4/26以降、入院患者数が減少傾向にあるため、ベッド数に余裕がある状態になっているようです。

現在、兵庫県では下記の通り、515床のベッド数を確保しているとありますので、当面は余裕がありそうです。下記情報は兵庫県の「新型コロナウイルス感染症に係る兵庫県対処方針」から抜粋しました。

(1) 入院体制の強化

○現在、新型コロナウイルス感染症病床として、重症対応71床、中軽症対応444床の計515床を確保しており、当面の感染症病床は確保している。5月21日(緊急事態宣言延長後2週間)までは現行体制を維持するが、状況を見極め、見直しを検討する。
県立加古川医療センターを県内全域の患者に対応する「新型コロナウイルス感染症拠点病院」に、神戸市立医療センター中央市民病院及び県立尼崎総合医療センターを重症患者等に対応する「新型コロナウイルス感染症重症等特定病院」にそれぞれ位置づけ、重症者対策を推進する。

(2) 無症状者や軽症者への対応
○患者の増加に伴い、重症患者の入院医療に支障が生じないよう、原則として入院後の無症状者や軽症者は、医師・看護師等医療体制を整備した宿泊施設において療養を行う。
・4/11~ ニチイ学館ポートアイランドセンター宿泊棟(100室)
・4/13~ ホテルリブマックス姫路市役所前(78室)
・4/17~ ホテルヒューイット甲子園西館(200室)(*本館は通常営業中)
・4/30~ ホテルパールシティ神戸(200室)
・その他合わせて計700室超を確保している。
○今後、患者が増加した場合には、宿泊施設の一層の確保を図る。さらに患者が増加する場合には、感染症対策を徹底の上、自宅待機等での入院調整も検討する。

引用:https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk03/coronataishohoushin0413.html#houshin04131

日本国内都道府県の感染状況について

全国都道府県の新型コロナウイルス感染者の状況

下図に全国各都道府県における新型コロナウイルス感染者(PCR検査の陽性者)数の推移を表示しています。

感染者が最も多いのは東京都で、これまでの最大ピークに200人近くまで増加していました。

図中の凡例にある各都道府県名をクリックすると、そのデータが表示/非表示されます。例えば、「全国」を選ぶと、国全体のデータが表示されます。(縦軸のスケールが自動的に変わりますので値にご注目下さい)

下図は日本国内における新型コロナウイルス陽性者数(累積)の推移を示しています。

図中の凡例にある各都道府県名をクリックすると、そのデータが表示/非表示されます。例えば、「全国」を選ぶと、国全体のデータが表示されます。(縦軸のスケールが自動的に変わりますので値にご注目下さい)

感染状況を指数近似係数でみる

下図は日本国内の各都道府県について累積感染者数データから指数近似係数を求め、グラフ化したものです。

クラスターなどが発生すると、短期的な小さな波が発生しているのが分かります。最近では長崎県や愛媛県などでクラスターが発生したことにより、一時的に膨れ上がっています。(それぞれ、凡例で長崎県、愛媛県をクリックすると表示されます)

全国都道府県の現在の感染状況をまとめる

下図は日本国内で感染が確認された都道府県の累積感染者数を降順にバーグラフにて示しています。

これまでの累積感染者は、東京都が最多で、大阪府、神奈川県、北海道、埼玉県、千葉県、兵庫県と続いています。

下表は、全国都道府県の累積感染者数、人口百万人当たりの感染者数、指数近似係数、倍化日数を一覧で示したものです。

列見出しの各項目をクリックすると、各項目でのデータを昇順/降順で並べ変わり、グラフも連動します。

例えば、「人口百万人当たり」をクリックして降順(2回クリック)に並べると、東京都が一番多く、石川県、富山県、大阪府と続いています。

倍化日数は、指数近似係数(係数a)の逆数で、感染者数が2倍になるまでの日数を表わしています。

例えば、係数a=0.01なら、倍化日数が69.3日、つまり約2か月後に感染者が倍に増加する計算になります。

これは、現在入院している感染患者と同じ数だけの新規感染患者が入院することになるため、約2か月で退院して行かないと、ベッド数が不足して医療崩壊につながって行くことを意味します。

現状では、係数aが低く抑えられているため少し安心感がありますが、今後とも継続して努力が必要となります。

全国感染者増大傾向ワースト14

下図は国内の都道府県の感染拡大傾向ワースト14(係数aを降順に並べた上位14都道府県)を示します。

全体的に0.1以下で落ち着いて来ている状況ですが、特にクラスターの発生があった都道府県では一時的に値が大きくなっているのが分かります。

全国の営業自粛、外出自粛に向けた緊急事態宣言解除に関する指標として7日間の感染者数や感染増加率を全国都道府県別にまとめて見ました。下記の記事をご覧下さい。

ニューヨーク市と日本国内各都府県との比較

ニューヨーク市と日本の都市との感染状況の違い

爆発的感染拡大で医療崩壊が起きていたニューヨーク市の感染状況と日本の都府県(東京都、大阪府、兵庫県)と比較をして見ました。

下図は、ニューヨーク市と日本の東京都、大阪府、兵庫県の新規感染者数の推移を表わしています。グラフでは、各都市の人口差を補正するため、100万人当たりに換算しております。

図は対数グラフにて表示しており、Y軸の目盛りのひとマスが100倍になっています。

これは如何にニューヨーク市の感染者が多いかを表わすために使用しており、通常のスケールではその差が掴みづらいためです。「線形スケールで見る」をクリックすると、通常のスケールで表示されます。

ニューヨーク市をはじめその他の諸外国では、爆発的な感染拡大が起きており、あきらかに日本の感染拡大状況とは違っています。

この理由については、日本の特性など、いろんなことが挙げられていますが、正確なことが分るまでは時間がかかるでしょう。

ニューヨーク市と日本の都府県の累計感染者数の推移

下図は、ニューヨーク市と日本の各都府県の累計感染者数の推移を比較しています。上記と同じように、人口の差を補正するため、100万人当たりに換算しております。

ニューヨーク市が日本より後に最初の感染者が発覚してから急激に増加しているのが分かります。

「線形スケールで見る」をクリックすると、分かりますように、日本のプロットはほとんど確認出来ないくらい小さな値となっています。

感染拡大傾向を指数関数近似の指数近似係数で比較する

下図は、ニューヨーク市と日本の都府県の累計感染者数データから指数近似係数を求め、時系列で表したものです。

ニューヨーク市の爆発的な感染拡大の状況が分かります。3月22日にロックダウン(都市封鎖)を行っていますが、その時点での感染者累計が23,141名で、係数aがまだ0.2552と高く5日後には45,576名と約2倍となっています。

ロックダウン後2か月が過ぎ、係数aは、0.0004付近に収まっていますので、感染拡大はかなり抑えられていると思います。

感染者数の減少には時間が必要

ニューヨーク市ではピークを超え収まりつつあるものの、既に感染者数の絶対数が多いので、感染者数の減少にも時間がかかるものと思われます。

一方、日本は感染者数の増加スピードは遅く、現状ではピークを越えて減少傾向にあるようです。今後この減少傾向を維持するための努力が必要となります。

グラフ作成に引用したデータ

使用しましたデータは、下記サイト、兵庫県ホームページ、および都道府県別新型コロナウイルス感染者数マップ(ジャッグジャパン株式会社提供)です。

新型コロナウイルスに感染した患者の状況
都道府県別新型コロナウイルス感染者数マップ
日本国内の新型コロナウイルス感染者を、ほぼリアルタイムに地図上にプロットして可視化する高機能ダッシュボードです。
nychealth/coronavirus-data
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